白鷺の剣~ハクロノツルギ~

「あっ!」

手に持っていたカゴを払われ、私はその人物に喉を掴まれた。

……岡田……さん!

鋭く光る瞳に射すくめられて、サアッと血の気が引く。

「騒ぐと握り潰すぞ」

グッと力を込められて、息が出来ない。

「歩け」

太股に、岡田さんの刀の鞘がカツンと当たる。

「西山白鷺は?」

どうしよう、どうしよう!

彼は再び、白鷺の刀『白鷺一翔(はくろいっしょう)』を求めてやって来たのだ。

あの青い光を放った、白鷺の刀を。

私は岡田さんを見ながら頭を左右に振った。

「岡田……以蔵さん」

瞬間、彼は眼を見開き、私を白鷺の家の壁にガツンと押し付けた。

「俺の名をなぜ知ってる」

……やっぱり……!

やはりこの人は、人斬り……人斬り以蔵だ。

「やめて……!」

「女、答えろっ!」

声を殺して小さく叫ぶと、岡田以蔵は胸元から懐刀を取りだし、私の首筋に当てた。

氷のように冷たいそれが肌に当たり、一気に鳥肌がたつ。

息のかかる距離でニヤッと口角をあげると、彼は私を見つめた。

「俺が女を殺さないと思うか?」