俺の刀を……?
剣神ミカヅチは、柚菜が握りしめたままの脇差、柚姫に視線を落として呆れたように微笑んだ。
「この脇差だよ、柚菜が惚れた刀は」
剣神ミカヅチは続けた。
「あの時こいつが惚れた刀で、惚れた男のために命を懸けるとは……大した女だぜ」
この脇差を、柚菜はもとの世界で見ていたのか。
固く閉じられた柚菜の瞼はピクリとも動かず、俺はなりふり構わず剣神ミカヅチに懇願した。
「どうか、柚菜を連れて行かないでください!俺は、柚菜を一生かけて守り抜きます。なんなら、俺の命と引き換えでも構わない」
剣神ミカヅチは、俺を真正面から食い入るように見据えたが、やがて諦めたように息をついた。
「そういや俺は、まだお前に借りを返してなかったぜ」
言うなり柚菜の胸に深々と刺さった雅の懐剣を握ると、彼はニヤリと笑った。
「覚えてるだろ?柚菜がしつこくお前に付きまとって剣を作ってくれと頼んだのを。あれは俺の為なんだよ。ひょんなことからちょっと問題が起きてな」
剣神ミカヅチは、更に続けた。
「お前が剣を作ってくれなかったら、俺はチンケな神社から出られなくなるところだったんだ。感謝するぜ」
よく分からなかったが、柚菜のために作った剣が役に立ったようだった。
「ちょっとどいてろ」
言うなり俺を押し退けて、剣神ミカヅチはゆっくりと眼を閉じた。
「ちっとばかり、骨が折れる作業なんだ。声かけんじゃねえぞ!」
剣神ミカヅチは、柚菜が握りしめたままの脇差、柚姫に視線を落として呆れたように微笑んだ。
「この脇差だよ、柚菜が惚れた刀は」
剣神ミカヅチは続けた。
「あの時こいつが惚れた刀で、惚れた男のために命を懸けるとは……大した女だぜ」
この脇差を、柚菜はもとの世界で見ていたのか。
固く閉じられた柚菜の瞼はピクリとも動かず、俺はなりふり構わず剣神ミカヅチに懇願した。
「どうか、柚菜を連れて行かないでください!俺は、柚菜を一生かけて守り抜きます。なんなら、俺の命と引き換えでも構わない」
剣神ミカヅチは、俺を真正面から食い入るように見据えたが、やがて諦めたように息をついた。
「そういや俺は、まだお前に借りを返してなかったぜ」
言うなり柚菜の胸に深々と刺さった雅の懐剣を握ると、彼はニヤリと笑った。
「覚えてるだろ?柚菜がしつこくお前に付きまとって剣を作ってくれと頼んだのを。あれは俺の為なんだよ。ひょんなことからちょっと問題が起きてな」
剣神ミカヅチは、更に続けた。
「お前が剣を作ってくれなかったら、俺はチンケな神社から出られなくなるところだったんだ。感謝するぜ」
よく分からなかったが、柚菜のために作った剣が役に立ったようだった。
「ちょっとどいてろ」
言うなり俺を押し退けて、剣神ミカヅチはゆっくりと眼を閉じた。
「ちっとばかり、骨が折れる作業なんだ。声かけんじゃねえぞ!」


