白鷺の剣~ハクロノツルギ~

『白鷺……大好きだったよ、いつの間にか』


私は白鷺にそう言ったけど、白鷺は何も返事をくれてはいない。

……やっぱり、私の恋に見込みはないのだと思うしかない。

次第にドキドキしていた胸の鼓動が、ギシギシという痛みに変わる。

その時、急に白鷺が私の背中に両腕を回した。

逞しい彼の身体にフワリと包み込まれる。

私はたまらなくなって、白鷺の胸に頬をすりつけた。

温かくて心地よくて、白鷺の香りを思いきり吸い込む。

その時、白鷺が震える声で言った。

「俺は……誰とも愛を交わす気はない」

ギザギザの何かを胸に押し当てられたような痛み。

白鷺は続けた。

「けれど、柚菜の事は大切に思ってる」

……鼻がツンと痛む。

私は必死で涙をこらえた。

この言葉とこの抱擁を、私は忘れまいと思いながら口を開いた。

「うん、ありがとう」

それから改めて胸に誓った。

報われなくても構わない。

白鷺が幸せになるなら、それでいい。

私が白鷺を守る。

絶対に守る。