白鷺の剣~ハクロノツルギ~

赤茶の前髪が瞳に影を落として、何だか眼差しが艶っぽい。

「……なあ、俺達もさ、大人なんだし肌を合わせるってのも……」

ニヤリと笑った宗太郎が更に私に迫る。

「な、な、な、何言ってんの宗太郎っ。急に、何?!きゃあっ!」

その時ザザッと土間の土が擦れる音がして、私は背後から腰に腕を回され、誰かに引っ張られた。

瞬間、宗太郎が我慢ならないと言った風に吹き出し、涙目になりながら私を見た。

「ほーら、白鷺様のおなーりー」

ええっ?!

「きゃあああっ!」

私を宗太郎から引き離したのは確かに白鷺だった。

「あー、おもしれぇ!」

ゲラゲラと笑い転げる宗太郎を侮蔑の表情で見下ろすと、次に白鷺は私をギラッと睨んだ。

「帰るぞ」

ビックリしたままの私は更に驚き、壊れそうな程、心臓がバクバクと響いた。

「は、白鷺、どうしたの?」

「いいから帰るぞ!」

「じゃーなー、柚菜」

ニヤニヤしながら宗太郎は私を見つめると、ヒラヒラと手を振った。

私はというと、そのまま白鷺に担がれてしまい、白鷺はズンズンと砂利道を進み始めた。

「白鷺、下ろして」

「ダメだ」

「白鷺ったら」

「黙れ」