白鷺の剣~ハクロノツルギ~

慈慶さんは頷いた。

「……彼が自ら望んでいるかも知れませんし、望んでないかも知れません。そこのところはなんとも」

今彼は、何を思っているのだろう。

私はそれが知りたかった。

彼の心を知ることが、白鷺を救う道に繋がっていると思うから。

◇◇◇◇◇◇◇

「お前さあ、白鷺の家に戻れよ」

「……やだ」

「なんでだよ」

「だって私、白鷺に嫌われてるもの」

そう言うと、私は宗太郎の注いでくれたお酒に口をつけた。

今日は仕事が休みだという宗太郎に付き合って、私は少しだけお酒を飲んでいたのだった。

まだ日は高いけど、休みだからたまにはいいだろ、と宗太郎は笑った。

「アイツがそう言ったのかよ」

私は首を横に振った。

「私といると白鷺はいつも機嫌が悪そうだもの。今朝だって、起きると白鷺がここに来てて、既に怒ってたし」

私が口を尖らせてそう言うと、宗太郎は眉を寄せた。

「それはお前が」

私は宗太郎の言葉を遮って続けた。

「それに宗太郎だって見たでしょ。白鷺があの綺麗な女の人と抱き合ってたの。恋人がいるのに、やっぱりそういうのは良くないし」

キスをしてしまった懺悔の気持ちから私がぎこちなくそう言うと、

「雅の事か?あれはアレだけの付き合いだろ」