白鷺の剣~ハクロノツルギ~

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「生き霊?!」

その日の夜、すっ頓狂な声を上げてこちらを見る宗太郎に、私は力なく頷いた。

「白鷺の事が死ぬほど好きな女の人の生き霊なんだって」

私がそう言うと、ぐい飲みの酒を飲み干した宗太郎が少し眉を寄せた。

「白鷺は俺の次にイイ男だが、どちらかというと奥手だぜ」

それは……分かってる。

宗太郎はそう言いながら少し笑った。

「ちきしょう、先越されたぜ。俺はお前を狙ってたのに」

私は宗太郎をジロリと睨んだ。

「宗太郎はカッコイイけど、浮気しそうで嫌!」

「なんだよ、ひでぇな!」

私は迷った。

宗太郎に懐剣を見せるべきだろうか。

けどあの懐剣は、明らかに白鷺が作ったものだ。

宗太郎に聞けば持ち主が判明するかも知れない。

けど、それを見せて持ち主が判ると、宗太郎が白鷺に生き霊の存在を隠しておけないかも。

だからといって私の胸に秘めたままでは生き霊の正体を突き止められないかも知れない。

どうしよう、どうしよう。

私が落ち着きなく視線をさ迷わせているのを宗太郎は見逃さず、鋭い声を出した。