遠い道のりも人といればあっという間で…。
気付けば家の前だった。
「じゃぁ、璃玖ありがとうね。楽しかった」
そう言って家に入ろうとしたんだけど…
--ガシッ
璃玖に腕を掴まれたせいで、歩き出すことができなかった。
「…待てよ」
あたしは璃玖の方に向き直った。
「…何かあった?」
「あ、えっと、その…翔太ってやつとは上手くやってんのか?」
いきなり何かと思えば…翔太の事か。
「あーうん、別に普通かな」
「普通って例えば…?」
なんでそんな事聞くんだろ…。
まーいいか。言って減るものでもないし。
…璃玖だし。
「んー家の前でこーやって話したりとか本当そんなんだよ。あ、そういえば、あたし翔太の事が好きだから。一応璃玖には言っておくね」
翔太を好きだって思えたのは璃玖のおかげだしね…。
好きだと言ってしまった恥ずかしさからあたしは顔を背けた。