「ん~!うまぁ」




両手が埋まるほどの食べ物を買い込んだ圭くんは、おいしそうに綿菓子を食べる。




お、おいしそう……。




それを見ると、つい私も食べたくなってしまう。




「ん?食べたいの?」




「い、いや、そんなことは……」




「ほい」




「んむ!?」




白くてふわふわな綿菓子が口を塞いだ。




甘くて美味しい。




これは、イチゴ味の綿菓子だ。




初めて食べたかも。




「お、おいしかった……」





「ちーよちゃん、今度はたこ焼きでもどう?」




「いいの?」




「いーの、いーの。はい、あーん」




「あーん」




私は食べ物に釣られて、言われるがまま。




「うわー、圭が千代を餌付けしてるよ……」




「えっ!?千代が!?」




「はーい、お次は林檎飴!」




「り、林檎飴!」




「あー、あれはもう食べ物の虜になってるな」




「くっ、圭くんめ!」




なんて美味しいんだろう。




病み付きになりそうだ。




そんなこんなで、お祭りを楽しんでいたわけだ。





主に、食的な意味で。