「だよね。テニスに恋なんて邪魔なだけだもんね」 テニスも恋も大切な私は、返事に困る。 そんな私に気付くことなく、横峰さんは「お先に」と言って、更衣室を出て行った。 テニスに恋は邪魔? そんなこと感じたことは一度もなかった。 むしろ私にとって、七倉さんの存在は力の源。 七倉さんがいるから、もっと、もっと、頑張ろうって思える。 けど横峰さんには違うのかな? 横峰さんが出て行った扉を、悲しい気持ちで見送った。