でも、 すぐに帰ってしまった。 「え、もしかして、今のが!?」 「何が」 「お兄ちゃんの好きな人。ってか若!まさか生徒じゃ…」 「生徒だよ。俺のクラスの」 妹にバレたけど、そんなことよりも、 なんで逃げたんだよ……。 「背高くて美人な子…。」 「そんなんじゃ言い切れないほど、あいつは凄いよ」 栞に出会わなかったら、なんて想像が出来ないくらい、 俺には栞が必要で。 だから、その日から避けられるなんて、 思いもしなかった。