冷たくて、小さくて、 これは……… タオルをとって、 左手を開けると、 シルバーリングだった。 「青木は学校につけていけば怪しまれるけど、 俺は堂々とつけることにする。 高かったんだからな」 「だ……大事にします………」 この結婚は、先生が、生徒を守るための手段としてだと思ってた。 ううん、今もそうなのかもしれない。 けど、たったひとつの、 私と先生を繋げるこの指輪が。 先生を好きでいていいと、 許してくれるもののように思えて。