「水野って…紡とどういう関係?」

「ええっ!?」


朝の委員会で学校周辺のゴミ拾いをしている最中、健くんが私に突然聞いてきた。

私は空き缶を持ちながらカァァと顔を赤くしてしまった。




「ど、どういうって…友達だよ。あと部員?かな…」

「ふーん…」

「どうしてそんなこと聞くの?」

「…付き合ってるのかと思ってたから」


さらっと軽い口調で言う健くんに、噴火しそうなくらい顔が熱くなってしまう。





「ないないっ!絶対ない!それはありえないっっ」


滅相もございませんっ!!





「でも紡のことは好きなんだよな?」

「っ!」


当然のように言われると否定出来ない。私は健くんから目をそらすので精一杯だった。





「…やっぱりわかる?」

「うん」

「だよねぇ…」


自分でも蒼井くんにアタックしてるのわかるし。今後気をつけよ…




「付き合わないの?」

「え?付き合える訳ないよ~」

「何で?告白しないの?」

「しないよ!絶対無理だもん」


私が全力で言うと健くんはふーんと言って、ゴミ拾いを続けていた。




「そ、そういう健くんはどーなわけ?彼女とかいないの??」

「いない。好きな人はいるけど…」

「本当に?誰誰??」


知ってる子かな?こういう話男子とするの初めてだから少しドキドキするな~





「凪だよ」

「へ…」


ニヤニヤしてからかおうと思ってたスイッチが切れ、私は思わず素に戻ってしまった…




「俺はずっと凪だよ、子供の時から…」