「水野美海さんていますかー?」


一学期の中間テストが終わりホッとしたのもつかの間。おばあちゃんが作ってくれたお弁当を食べようとした昼休み、私は人生初の呼び出しをくらっていた。





「はい…私ですが…」


恐る恐る手を上げると、私の席に近づいて来たのは綺麗なキャラメル色のショートカットの女子で私にぐっと顔を近づける。



こ、怖い…

この子何組だろう…見たことないけど…




「ちょっと相談があるんだけどいい?」

「相談?」


私はお弁当を後にして、その女子と裏庭のベンチがあるスペースにやって来た。本当は腹ペコで早くお昼にしたいけど断るのが怖いから仕方ない。





「こんな所に連れ出してごめんね」

「ううん」


一見怖そうに見えた彼女だが、よく見るとすごく可愛くて活発そうで元気な雰囲気。





「相談ていうのはね…水泳部の事なんだけど」

「水泳部?」


思ってもいなかった言葉。

水泳部の事で私に相談てどういうこと??





「あ、まずは自己紹介からよね。私相馬凪(そうまなぎ)。水泳部のマネージャーしてるの」


こんな可愛い子が水泳部のマネやってるんだ!知らなかった…




「それで水野さんにお願いなんだけど、最近紡と仲いいって本当?」

「へ?」


紡って蒼井くんと!?何で急にそんなこと聞かれるの!!?





「いやいや!そんなことはっ…滅相もないです!」

「嘘でしょ?うちの部の人達や他の生徒もみんな言ってたし」

「…」


もしかして呼び出された理由って…相馬さんが蒼井くんのファンだからっていうあのよくあるパターン?

だとしたら余計怖くなってきた…