ーーー12月末。

紡との交際も順調で数日前のクリスマスに2人で出かけたりして、夢のような時間を過ごしていた。


早いもので明日は大晦日。

明日も紡と年越しをして初詣に行く約束をしている…





♪♪♪♪…


その日の夜。部屋で明日着ていく服を選んでいたら、スマホが鳴り見ると凪からの着信だった。




「もしもし?」

「明日の初詣に着ていく服でも選んでた?」


手に持っていた服を置いて電話に出ると、凪は唐突に私に質問してくる。





「ま、まあね…」


私の行動が読めるなんて…凪とも付き合いが長くなってきた証拠だな。




「やっぱり~美海は自分から言ってこないからさ」

「言えないよ…恥ずかしいし」

「私に遠慮してるとかじゃないわよね?」


凪の言葉に一瞬言葉を詰まらせた。それを全力で否定出来ない自分がいたからだ。


紡と付き合ってから…凪と恋の話もしなくなった。

どこか凪に悪い気がして…私も紡の事は凪に話せないでいる。





「…ずっと気になってたの。2人が私のせいで気まずい思いしてるんじゃないかなって」

「そ、そんなんじゃっ」

「いいの、わかってるから…でも本当にもう大丈夫だから。もう完全に吹っ切れた」

「凪…」


こんな時なんて言ったらいいの…

自分がバカ過ぎて腹が立つ…





「あーもう!今からあんたんち行くから待ってて!」

「えっ」


電話がブチッと切れると、凪は10分くらいで家に来た。