「ありがと」


蒼井くんから飲み物を受け取ると、自分を落ち着かせるようにぐびぐびと飲む。





「ふぅ…」

「どうしたの?疲れた?」


急にため息をついて壁にもたれかかる蒼井くんを見て、慌てて声をかける。




「違う。彼女にプレゼントあげるのって緊張するなと思って」

「え…蒼井くんも緊張するの?」


そんなふうには全然見えないんだけど…




「当たり前だろ。こういうの慣れてないし」


今の蒼井くんの言葉に疑いの目を向けると…




「信じてねえだろお前…」

「だって蒼井くんモテるじゃん!中学の時とかも彼女いたでしょ?」

「いねえよ。お前が初めて」

「え………」


その発言にまたまた疑いの目を向ける。





「はいはい。んなことやってるなら俺は先に行くからな」

「え゛っ、ちょっと待って!」


飲み物の容器をゴミ箱に捨てて先に行く蒼井くんを、慌てて自分の飲み物を飲み干してすぐに追いかける。





「待ってよ~蒼井くん付き合ってから意地悪ばっかり」

「は?」


やっと追いつくと、蒼井くんは私の言葉に立ち止まって顔をしかめる。




「前はすっごく優しかったのにさ…」

「あのな…俺そんなに優しい人じゃないから」

「優しいよ!ホワイトデーだってひとりひとりにちゃんとお返ししたり…」


その他にもたくさんあるし…





「なんだよそれ…そりゃあそれなりに周りには気は使ってるつもりだけどでも…」


蒼井くんはうーんと少し考えてから言った。