「まじか……」
扇は少し驚く。
「シャドウアーム」
陰は扇に向かって影魔法を放った。
黒色の大きな腕だ。
「おっと……びっくりしたー」
扇は陰の存在を忘れていたため魔法が来るまで分かっていなかったが、大きな腕を軽々とよける。
「……なっ」
避けたのはいいが、その後から動けない。
よくよく見ると大きな腕は扇の影を踏んでいた。
どうやら、実体以外に影にも有効のようだ。
「やばっ……」
またもやピンチだ。
「っ……破壊の…」
「日光一閃」
陽は光を放つレーザーのようなものを一閃し、獄の呪い発動を阻止する。
「破滅の呪い……レタテ」
レーザーのようなものは弾けて消えた。
破滅の呪いは呪った相手(物、魔法)を内側から破壊するもので、
破壊の呪いの場合は破壊した相手(物、魔法)の残骸がある
しかし、破滅の呪いは跡形もなく自滅していくものだ。
それによくにたのが、
「消滅の呪い……ディテクタール」
である。
陽が使っていた短剣が粒子となって消える。
消滅の呪いは相手(物、魔法)を消滅させる。
つまり、跡形もなく消し去る呪いだ。
破滅は内側から、消滅は外側から壊していくものだ。
(獄さん……どんだけ呪いもってるんだ!
ていうか、呪いって1人1つじゃないのか?)
陽はそんなことを思っていた。
だが、ここグリムズは異能者の集まりだ。
獄のように呪いをいくつも使える者も存在していておかしくない。
[グリムズ以外では、呪いを複数持っていることは絶対にあり得ないのが理]


