陰陽 ~正反対の少女と少年~


「破滅の呪い……レタテ」

獄の言葉によって凪の魔法は粒子となって消えた。

「なっ」
「うそっ!」

殺と蝶、獄と周を相手にしていた楓と薬も驚いていた。

「呪いシリーズ!」

殺は くっ と歯をくいしばる。

「そう。俺は呪い使いだ。」

呪いシリーズとは、闇に属する魔法の1つで、
魔法・魔力・魔法陣・人・物・全てを呪うものである。

その呪いの強さは個人差があり、呪えないものもある。

呪いを使う者は他の魔法を使うことができず、
呪いを持つ者は赤目で瞳に六芒星が描かれている。

「だけど、瞳に六芒星はなかった!」

陽は驚き確認する。
最初に会ったとき、試合開始前までは確かにただの紅のようや赤い目であった。

だが、今の獄の瞳は確かに六芒星がある。

「どうなってるんだ?」

薬は驚きが隠せず、数秒固まる。
だが、それが命取りだ。

「隙を見せてどうするの?」

いつの間にかいた凪の声で はっ とする。

凪はコードネーム通り、凪のように止まった魔法 及び 止まったような静かな魔法だ。

魔力も魔力探知に引っ掛からないし、魔法も誰にも気づかれない。

とうぜん、感知タイプの者も分からないのだ。

「リストップ…」

凪は静止魔法を使い、薬と楓を停止させた。
まるで静止画のように……

「薬、楓、戦闘不能でリタイア!」

レイリは宣言し、止まった薬と楓を自分の元に転移させた。

「……はっ!リタイアしてしまいました。」

リタイアが決まったため、魔法をといた凪は新たに援護にむかった。

魔法がとかれ、動けるようになった楓と薬は悔しい表情。

「可鈴 跡音 (せきおん)」

殺は誰にも聞こえないほどの小さな声で言った。
それを聞いた蝶は クスッ と笑い自身を蝶々へと変えた。

「幻術・八景幻心 (はっけいげんしん)!」

蝶々たちはフィールド内をおおいつくし同じ方向に回転しはじめた。

「なにっ……なっ!」

扇が警戒していると景色が変わった。
扇がいるのは樹海。あちこち同じような木がいきいきと上へ伸びている。

獄も驚きなにが起こったのかわからないらしい。

「……きゃっ」

そんなときだ1つの悲鳴が聞こえた。

「!!凪っ!」

獄はその声を聞き、呪いを発動させた。

「破壊の呪い……リーク!」

パリン

すると 見ていた景色はガラスのように砕ける。

「……!凪!」

扇も凪の悲鳴がきこえ、幻術が解けた瞬間凪がいた場所を見るがいなかった。

「凪はん、戦闘不能~」

蜘蔬はそういった。
横には意識を失った凪がいた。