陰陽 ~正反対の少女と少年~


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「それじゃあ、始めるね!
ルールは審判をしてくれる3人から!」

扇は蜘蔬、レイリ、水無月を見て お願いします と一礼する。

「んじゃ説明するでぇ、ルールは簡単や 
相手を死に繋がる、殺傷力が強い魔法もしくは契約武器の魔法使用は禁止や。

相手、全員がリタイアした場合試合終了とする。

あと、開始前の魔法使用、移動もアウトやでぇ。

それ以外はなんもあらへん。
心置きなく戦ったらええ!」

蜘蔬はグッと親指をだす。
大丈夫なのだろうか それがますます強くなっていく陰たち。

「それでは、試合開始です。」

レイリがコインを扇たちと陰たちの間ではじく。
コインが地面に落ちた瞬間開始だ。

それまで、魔法の準備、移動は禁止されている。

ジリッ と緊張を足に力をこめる。

カラン とコインが落ちる音がした。

(((((試合…開始!)))))

一斉に全員が動いた。

「雷をおこすものよ

  雷を操るものよ

 雲の上より、この地へ雷を落とせ

       雷神(らいじん)!」

扇は空へ飛び、空中で雷神を呼び寄せる。
神級契約武器であり、最高位の武器だ。

扇の身長よりもはるかに長い刀。
刀からは雷のようなものが見える。

「鳴雷(なるいかづち)!」

扇は殺と蝶との距離を一気につめ、一閃。
これは殺も蝶もよける。だが攻撃は1回だけではなかった。

左右に雷を帯びた刀が攻撃してくる。

「顕現せよ、可憐なる2つの剣よ、

 双方欠けることのない一心同体の剣よ、

これより禁を破り召喚す、

祖の名は可憐(かれん)、祖の名は可鈴(かりん)

双方の名は……変形の双可!」

早口で、双可を召喚する。

そして、雷神の刃を受け止める。
キーン と高い音を立てる。

「おっ、これを受け止めるとはね~でも、

 雷神流 竜電 (りゅうでん)」

雷神から双可に向かって竜の形をした雷が殺を襲う。

「っく! 可憐 反射鏡 シールド」

可憐の能力を使い、反射させようとするがそんなものでは対抗できず砕ける。

だが、殺の狙いは違う。
反射鏡のおかけで、威力は落ちたため、シールドで竜電を受け止める。

「可鈴 耳揺すり」

殺は扇にだけ聞こえるように耳鳴りのような音をおこす。
その威力は半端なく、鼓膜を破く一方手前だ。

「……つう」

この耳揺すりの扱いはマスターしているため、鼓膜が破けることはない。

扇は、片目をつぶりそれに耐える。

「カインの略奪」

蝶は凪が放った魔法をカインの巫杖で権限を奪いそれを扇に向けた。

「フフ…使い方がうまいねぇ……でもあまいかな~」

そう言って扇はニヤッと笑った。