陰陽 ~正反対の少女と少年~


「ついた。ここが僕の家だよ。」
「飲食店?」

少女は首をかしげる。

入口に色鮮やかな のれん が掛かっており、それをくぐって中に入ると人が騒がしく食事をしていた。

飲食店というよりは酒場だろう。

「んーそんな感じ!」

少年は頷きながらカウンターに向かった。

「お父様、只今戻りました。」
「今日は遅かったな。…で後ろのお嬢さんは?」

少年の父が少女のことを聞かれ、少女は少年の後ろに隠れてしまった。

「途中で迷子になってたので、つれてきました。カイア地区の住民で、今から行くと遅いと思いまして。」

とても、4、5歳が使うとは思えない口調で少年は父に言う。

「そうだな。夜に歩くと冷えるし道に迷うからな……うちに泊まるといいぞ!」

そういって、少年と同じように笑顔を浮かべる。

「あの……ありがとうございます。」

少女はペコリと頭を下げてお礼を言う。

「それじゃあ、こっち来て!」

そういって、また少女の腕を引っ張った。