次の日、今日は卒業式だ。

グリムズの学校では夏が卒業式なので、皆、制服は半袖になっていた。

「結局、制服は半年もせずに終わったね。」

陽は クスッ と笑う。

まったくその通りだと陰は思ったが口にはしなかった。

「……これから、部隊に入るんだね……」

陰の呟きに深く頷く陽。
グリムズの子供たちは学校を卒業した先が難関である。

勿論、仕事は忙しくなる……だが、なにより命に関わる稼業だ。

ここからは任務をこなしていくうちにお金は入るが、まだ子供なのでそんなものには余り興味がない。

ただ、その稼業につくことの恐怖、緊張を感じているだけだ。

「ま!今日は卒業できることを祝おう!」

陽はまた明るい笑みで陰を見た。

「……そうだね」

陰もうなずいた。

丁度そのとき、下から陽のお父さんが呼んでいたので支度をして、下におりた。

「まさか、1年もたたずに卒業とはな。」

下には、剛樹、火夜南、刃音、夜南がいた。
店は閉めており、刃音と夜南も仕事を休んでサーイン地区に来ている。

「これは、流石にビックリだわ。」

火夜南は苦笑いで言った。

「陽と同級生の子も何人か卒業みたいだし」

そういって、刃音は陰と陽を見た。
その表情は恐怖の類ではなく、さすがだ!といった表情だ。

そして、尊敬のような眼差しも見える。

「……これからは大変……」
「しっかり、頑張れよ」

夜南と剛樹の言葉に陰と陽は頷いた。