陽が召喚したのは刀であった。
全体は朱色で鞘も朱色。柄頭の先には赤色の勾玉がついていた。
「太陽の光をもち、我の力となる剣よ、
太陽の光のもと、その明るき光を世に示せ
真昼の日光(剣) (まひるのにっこう)」
陽もまた、禁級の契約武器であった。
そして、シリーズは能力だが、真昼の日光は申し子シリーズにもなるという、曖昧な武器だ。
「……もうなぜか、驚きというより当たり前になってきましたね。」
レイリは苦笑いをする。
だが、真昼の日光もまた、殺や薬たちと同じく禁級の中でも上位に入る。
「へー。真昼かー」
陽は真昼の日光をまじまじと見ながら笑む。
「陽……なんか嬉しそう……」
笑っている陽を見ると陰もなんだか温かくなり、自然と微笑みたくなる。
「陰!次だよ!」
ニッコリ と微笑む陽を見ていた陰も微かに笑んで頷く。
「……うん。」
そして、陽と入れ替わりに結界の中に入った。
「我が力を此処に示し、汝を召喚す、
汝、我が力となりてここに契約を」
陰が召喚したのは弓であった。
三日月を描いたようで月色をしている。
とてもシンプルだ。
「月の光をもち、我の力となる弓よ、
月の光のもと、その静かな光を世に射て
月夜の月光弓 (つきよのげっこうきゅう)」
陰は月夜の月光弓をもって、陽たちのいる場所に行った。
詠唱から分かるように陽の真昼の日光とは正反対の武器になる。
この武器も能力シリーズと申し子シリーズという曖昧な武器だ。
「流石ですね。それでは、ここからは好きに召喚していいです。魔力があるだけ召喚できます。」
そう言ってレイリは校舎に向かって出ていった。
陰たちは頷いて、召喚し始めた。


