蝶は三日月型のわっかの中心に円形の珠がある背よりも長い杖だった。
「殺人カインの力を我に治め、
その力を制御する、我はカインの巫女なり
カインの巫女杖」
蝶はカインの巫女杖という禁級の武器で変わりシリーズである。
「珍しいですね。変わりシリーズや申し子シリーズは元々契約されているのですが。」
レイリは手を組み考え込む。
「カインの巫女杖は、カインが弟へ嫉妬したときに元々現れるんですけど。」
カインとは人類最初の殺人者で弟アベルを嫉妬し殺したといわれている。
そしてカインの生まれ変わりもまたアベルの生まれ変わりに嫉妬し殺すという連鎖がおこった。
それを食い止めたのが1人の少女であった。
それから、彼女をカインの巫女と呼び、
「うちはカインの巫女の生まれ変わりで、まだ嫉妬はしてないんですけど、この魔法陣が呼んで来ちゃいました……ハハハ」
苦笑いで蝶は語る。それに納得した陰たち。
ここにいる6人は他の人達とは格が違う。違いすぎるのだ。
「さてさて、次は誰が行くー?」
蝶は杖を持って契約をしていない陰たちを見る。
「じゃあ私が行きます!」
笑顔で楓が一歩前に出る。それを薬が心配そうにしていた。
2人は外国の生まれで生まれたときに殺されかけ、まだ0歳のときグリムズにきた。
そして、生まれた日も同じらしく時間が違うだけだ。なので2人は兄妹の様に育った。
「……心配そうな顔になってる。」
陰が薬を ジー と見る。だが陽に隠れながらではあるが。
「うん。そりゃね。」
あっけなく認める薬に蝶は面白くな~いなんて考えてそうな顔をしている。
「静かに。では楓お願いします。」
準備ができたためレイリは陰たちが静かになったのを見て楓に言うと、楓は頷き集中する。
「我が力を此処に示し、汝を召喚す、
汝、我が力となりてここに契約を」


