陰陽 ~正反対の少女と少年~


「あはははは、レ、レイリはん。どうしたんや。あはははは」

レイリの予想は適中して蜘蔬は大笑い。
レイリは恥ずかしくなり解答用紙で顔を隠す。

「……それで?……」

心のなかで笑っているだろう水無月がレイリにきく。

「6人とも満点です。」
「ほんまかいなぁ」

蜘蔬はそんなわけないとそれぞれの解答用紙を見る。

「ほんまやわぁ」

どうやら、陰たちにとっては簡単だったらしい。

「……じゃあ次……」

水無月は次の問題用紙を渡したこれが最後のテストになる。学年は4年~6年の間だ。

「時間は先程と同じ45分です。始めてください。」

陰たちは問題用紙を見て解答していく。
陰と殺は先程と同じくスラスラと鉛筆を動かしている。

「……ん?」

ただし陽と蝶は所々鉛筆が止まっていた。
その問題はおそらく6年生辺りだろう。
楓と薬も何とか問題を解いている。

「……はい。そこまで。採点します。」

レイリは陰たちの解答用紙を回収する。

「どうやった?難しかったかぁ?」

蜘蔬が聞くと陰と殺は余裕顔、楓と薬は普通にいつもと同じ顔、陽と蝶は自信ない顔をしている。

「結果を言います。陰、殺は満点、薬は99点、楓は97点、陽と蝶は95点です。」

見事に別れてしまった。
満点だったのは陰と殺だけであった。

「……どっちも最下位だった……」

陰はジーーと陽と蝶を見る。陽と蝶は目をそらす。そんな様子を見ていた水無月が話す。

「……みんな90点だから学年は7年生ね。」
「7年生?」

陽には?が浮かんで見える。それは他の人もそうだ。

「はい。確かに第一学校は6年制です。ですが実質は7年生もいます。卒業式は夏なので。」

グリムズの子供たちは卒業後、全員暗殺…人を1回は殺す。だが殺すまでに殺されてしまうこともある。少なくとも知識は必要だ。

7年生では普通の世界の学校では習わないことを習う。

でなければすぐ死んでしまう。

「ちゅうことで明日から飛び級で7年生や。これは教師からの命令やでぇ?」

蜘蔬はそれを言い渡して教室から出ていった。

「……今日はこの学年で授業を受けること。……」

水無月が一言呟いた。

それから、1日をすごした。

次の日からは7年生になり、生徒からはよく思われてはいなかった。