すると、結界内で黒いなにかが陰の回りに渦巻いた。
すると、全体から弧を描くように黒いなにかがまわりに飛び結界を一瞬で砕いた。
「いきなり結界破りかいなぁ」
蜘蔬は予想を超えたことに驚く。
シャドウアークは闇の神級魔法で攻撃型だ。
神級の中でもそうそう使えない。
そして、砕けた結界は神級でも耐えれるよう作られている。
それを一瞬で何もなかったことのように砕いてしまったのだ。
「じゃあ、次は僕だね。」
陰と交代で陽が張り直された結界の中に入る。
陽の顔から自信ありげな顔をしている。
「龍仙火(りゅうせんか)」
炎の龍がものすごいスピードで結界に向かう。
陰同様、結界が一瞬で砕けた。
龍仙火は滅多に見られない火属性の魔法だ。
「……毎回結界を作るのか…」
流石に残り4人も結界は砕くだろうと予想する水無月。
その後も、
殺は雷属性の雷神撃(らいじんげき)
蝶は水属性の水圧覇(すいしょうは)
楓は風属性の熱風暑焼(ねっぷうしょしょう)
薬は光属性の聖霊の息吹(せいれいのいぶき)
を薬以外は攻撃型なので一瞬で結界を砕いた。
薬の場合は癒しの魔法なので結界は砕くのではなく、砕かれた結界を何十倍も強くして直したのだ。
「やはり、すごいですね。」
レイリはそれぞれの魔法を見て戦慄する。
だが、なぜこのようなことをしたのか全く分からない。
「ですが、なぜ私たちがこのようなことを?」
楓がレイリに聞く。
それは陰たちも思っていたことだ。
きかれて答えたのは蜘蔬だった。
「グリムズはなぁ、普通の子が少ないんや。たまに小さいガキやのに凄い力をもっとる。お前らがいい例やわぁ。」
所々、ガキだったり子だったりと言葉が変わっているがそれは、教師としての言葉使いで今直し中だ。


