陰陽 ~正反対の少女と少年~


「……遅い。」

蜘蔬について行った先はグランドだった。

そして、そこに蜘蔬と同じ背丈の女性と陰と陽ぐらいの背丈の少年と少女がいた。

「そんな怒らんでもええやんか」

蜘蔬は女性にアハハと笑う。
女性は無表情であった。まるで陰や殺と同じようだ。そして、恐らく無口であろう。

「すみません。水無月。」

レイリは素直に謝っていた。

女性の名は 
   零堂 水無月 (れいどう みなづき)

肩あたりまである藍色の髪に月のヘアピンをしていて、橙色の瞳をしていた。

「……この子が楓(かえで)、この子が薬(やく)」

水無月は少年と少女の名前を言う。

おさげにした赤茶色の髪に黄色の瞳をしている少女。コードネームは アルス7 楓

深緑色の髪に藍色の瞳をしている少年。
コードネームは アルス7 薬

「可愛い子たちやわぁ。さて本題に入るんやけど。」

蜘蔬が陽たちに向けて言った。

「神級の魔法をやってみぃ。話はそれからや。」
「神級…ですか。」

陽たちは困った顔をする。
殺も蝶に どうする? と言っている、

「魔法なら何でもいいですよ。系統魔法でも無系統魔法でも精神魔法でも。」

レイリが優しい声で付け足した。

一般的には系統魔法の神級が知られるが無系統魔法でも神級もたくさんある。
ただし、系統魔法よりも難しいとも言われる。

「誰からでもええでぇ」

蜘蔬はまた薄ら笑いを浮かべる。
そこで、前に出たのは陰だった。

「…陰…どうぞ。」

水無月は結界内に案内した。
そして、その結界の中に入った陰は魔法を発動する。

「シャドウアーク」