もう何時間たったのやら、少女は座りっぱなしで動こうとしない。

その近くにも迷子で座り込む子はいるもののそこを通った大人が どうした? と声をかけていた。

しかし、少女に気づく人はいない。

少女の一族は元々存在感が薄い。そのため
存在感を消す  または
自分の回りに人を寄せ付けない魔法を得意としている。

少女を無視しているのではなく、少女そのものに気づいていなかった。

だが、少女はそれを気にしていなかった。
いつものことだ。といつものように身内を待つだけだ。

そして、少女も身内が来るだろうと思っていた。

「どうしたの?」

幼い声音がするが少女は自分ではないと思い下を見たままだ。

「おーーい。君に言ってるんだけど。」

そう言って声の主は少女の前にしゃがむ。

「…え?」

自分の前に人がいることに気づいて前をむく。

「大丈夫?どうしたの?」

前をむくと、そこには少女と同い年に見える少年がいた。

少年の服も少女と同じく紫色のシャツに男子用の赤紫のズボンをはいている。

「僕はサーイン7 08 まだ、コードネームは完成していないけど。君は?」

と自己紹介をする。

サーインとはグリムズにある地区の1つそして、7とはその年につけられる番号だ。
そして、08とは、その年にその地区で生まれ順番の番号だ。

つまり、少年は年の番号は7にサーイン地区で8番目に生まれたということだ。

だが、少年が言うようにコードネームは完成していない。

本来は08ではなく、そこに一~二の文字をもらう。

その文字をもらい、コードネームは完成する。