「それで、クラスはどうだった?」
「うん!おもしろい人とかいましたよ!」
「おお!それはよかったな!」

無邪気に話す陽と違って陰は静かに黙々とご飯を食べる。

「陰ちゃんはどうだった?」
「……普通です。…誰も気づいていないので…」

陰の答えに、言葉に迷う火夜南と剛樹。

「あっ…大丈夫です。いつものことですから」

それに気づいた陰は言葉を付け足した。

「夜南もよく、見失っていたからな…すまん」

剛樹は申し訳なく頭を下げた。
それを見た陰は逆にどうすればいいのか分からずあたふたしていた。

それを見て笑う日宮一家


「この後はどうする?」

食器を洗いながら剛樹は陽に訪ねる。

「とくになにもないです。」

陽は予定を確認するが何もない。今日は入学式ということで友達とも約束はしていないのだ。

「じゃあ、丁度いい。ちょっとおつかえに行ってくれ。」
「はい!」

陽は剛樹からメモを受けとる。

「ちょうどいいからお嬢ちゃんも行っておいで。迷子にならないよう道を確認するといい!」
「はい。」

陰は靴を履き陽のところに行く。

「行こっ!いってきまーす!!」
「いってきます。」
「おう!」

二人は剛樹に渡されたメモを見ながらお店へ向かった。