「そっちの子は?」
火夜南は黒髪と銀髪の少女を見る。
「ああ、私の娘とその友達。」
「…じゃあ、黒い髪の子がゆーちゃんの娘?」
「そうよ!」
夜南が珍しく聞く。
「ほら、二人とも。」
やさしい声で淳志は少女たちに言う。
「サーイン 7 殺(あやめ) です。」
「 カイア 7 蝶(ちょう) だよー!よろしくね!」
黒髪の少女が言って、銀髪の少女が言う。
「サーイン 7 陽 だよ!よろしくね」
「…カイア 7 陰…」
陰と陽も自己紹介をした。
「優…おまえ…」
「仕方ない。巫女のお告げは絶対だからな。」
刃音は驚愕な表情で優を見る。
優は目をそらしつらそうな表情をしており、
答えたのは淳志であった。
自分の娘に殺…ころす という文字を与えたのだから。 誰もが驚愕するだろう。
「この子は今までにない力を持ってる。…何事もなかったらいいのだけど…」
優は心配な顔をしていた。
「そうか…ところで、その隣の子は?」
刃音はみんなとは違う肌の蝶を見た。
「ああ、この子はルグアス貴族の子だよ。」
「!!!!ああ…あの伝説の貴族か!!!!」
優の言葉に驚き、剛樹は声を上げた。
ルグアス貴族
昔の戦争でクーイ国と影国という国との戦いで話し合いを持ち掛け終戦。
終戦を狙い襲ってきた三ヵ国からクーイ国を守った。
この二つをやったのがルグアス貴族だが、
終戦直後に三ヵ国も襲われたためその犠牲でルグアス貴族は全滅とされた。
そのため、伝説の貴族 となった。
だが、実際は生き残りがいる。グリムズに来る前はひっそりと影国で暮らしていたのだ。
「殺とよく遊んでいてね。カイア地区からは遠いから在学中は家で暮らすことになったの。」
優は嬉しそうに言った。
「…そろそろ行かないと…」
夜南は学校にある時計搭を見る。
「そうだった。」
そうして、グリムズ第一学校の入学式が始まった。