4月 

外国の花である桜が舞っているなか、

今日はグリムズ第一学校の入学式。

「いよいよだな。準備はいいか?」
「はい!」
「…はい。」

陰と陽はちょうど陽の家を出るところだ。

グリムズ第一学校は勿論サーイン地区にある。
カイア地区からは遠いため、陽の家に泊まっていたのだ。

グリムズの学校は6年制で飛び級ありである。

才能あれば飛び級で卒業でき、その先へと進める。

「頑張ろうね!陰!」
「…うん。」

陽はいつもの明るい表情で言う。
陰は表情は無いが声は明るかった。

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「わー。すごいね。」
「…こんなに大きいんだ…」

校舎を初めて見た二人は口が開いたままだ。

校門には グリムズ第一学校入学式 と書かれていた。

「あっ!優ちゃーん」

火夜南は優を見つけて手をふる。

「あはよう。火夜南、夜南」
「おはよー」
「…おはよ」

優も手をふる火夜南をみつけかけよってきた。

「久しぶり。淳志(あつし)」

剛樹は優のそばにいた優の夫に声をかける。

淳志、剛樹、刃音は同じ組織に入っていたのだ。

「久しぶり。そうか、お前んとこもだったな。」
「ああ」

久しぶりに話していると。

「母上、父上?」

二人の少女が声をかけた。

陰と陽と同じ背丈で、

一人は黒髪の長い髪を一つにまとめ闇をも感じる紫色の瞳、優の面影がある顔。

もう一人は銀髪のロングヘアーで透き通った水色の瞳に、陰と陽そしてここにいるメンバーとは違う白い肌であった。

その白い肌はクーイ国などの寒い地域にみられる色だ。

その少女二人を陰と陽は見つめる。