『太陽の申し子と月の申し子よ』

また声がした。とても優しい声が。
だがさっきの声とは違った。

「誰…なの?」

陰は震えていたことに気づいた。

「大丈夫だよ。僕がいるから。」

そう言って陰の手を繋ぐ。
そのことに驚くがなぜか安心できる。

『そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。』

何もないところから二人の女性が現れた。

一人は巫女装束に真っ黒な髪を赤い紐で一つにしており陽の髪のような赤色の瞳。

優と同じ格好をしているが決定的に違うのが
三つの勾玉の首飾りと金色の太陽のような形のものが頭にあった。

もう一人は身長ほどある長い黒髪に藍色の着物というシンプルな服装、陰の髪のような黄色の瞳。

『私はアマテラス』

巫女装束の女性が口を開いた。

『私はツクヨミ』

そして、着物姿の女性も口を開いた。

先程の声は

    太陽の神、アマテラス

        と

     月の神、ツクヨミ

             だったのだ。

そのことに驚く陰と陽。

目の前に誰もが知る神がいるのだから。