期間限定の恋、はじめました。

い……って言いたかったけど、声に出なかった。


先輩が座っている席の横には朝比奈先輩が立っていて、楽しそうに話をしてた。


その光景が美男美女って感じで、なんか入り込めそうにないなって雰囲気で……


「ねぇ、あの二人って別れてたんじゃなかったっけ?」


「復活するかもって香織言ってたよ」


「やっぱそうなんだ!どうみてもお似合いだもんねー」


廊下を歩いている3年生の声が聞こえてくる。


胸の奥がキューっと締め付けられた。


それはまるで私なんか側にいない方がいいって言われてるような気がして。


私は居た堪れなくなってその場を後にしようと踵を返し、来た道を歩き出した。


「あれ?茉奈ちゃん?」