ふと、そこである考えに至った。
「……ねえ。一昨日、この宮に来た者は全てチェックしたのよね?」
「はい。リュード様も確認なさっております」
「全員、報告したのよね?」
「はい。……あ」
侍女が何かに気がついた。
セリスはそれを見逃さない。
「何でも良いのです。少しでも気になることがあったら言って頂戴」
「はい、でも……」
「お願い」
「……はい」
侍女は深く頷いて、セリスに向き直った。
「私どもが唯一、リュード様に報告しなかったお方がございます」
「それは?」
「皇太子アルフォンス殿下でございます」
ドクリ、と心臓が重い音を上げた。
「しかし、姫様に会いに来られた皇太子殿下をお疑いになることはありませんよね?」
“会いに来た”……?
いいや、会っていない。一昨日は誰にも会っていない。
「……ねえ。一昨日、この宮に来た者は全てチェックしたのよね?」
「はい。リュード様も確認なさっております」
「全員、報告したのよね?」
「はい。……あ」
侍女が何かに気がついた。
セリスはそれを見逃さない。
「何でも良いのです。少しでも気になることがあったら言って頂戴」
「はい、でも……」
「お願い」
「……はい」
侍女は深く頷いて、セリスに向き直った。
「私どもが唯一、リュード様に報告しなかったお方がございます」
「それは?」
「皇太子アルフォンス殿下でございます」
ドクリ、と心臓が重い音を上げた。
「しかし、姫様に会いに来られた皇太子殿下をお疑いになることはありませんよね?」
“会いに来た”……?
いいや、会っていない。一昨日は誰にも会っていない。


