「みなみ?やっぱりおかしいわよ?大丈夫?」 全く意に介していない母親。 見えていないんだ。 あ、メガネを外そう。 私はメガネを外した。 アルスは見えなくなった。 「あ、お母さんごめんね。すぐ支度して行くね」 天使のメガネを机に置いて、普通のメガネを掛ける。 アルスの姿も気配も、何も感じなくなった。 ホッと安心して、私は部屋を出た。