「痛っ。」 「もう少しだから我慢しろ。」 「んっ。お願い、痛くしないで。」 現在、午前8時30分。 こんな朝っぱらから、怪しげな声をあげるのは白石 文乃。 ついこの間、俺にとって一番近い存在へとなった彼女。 長い間妹分のような存在だった彼女が、ずっと俺に想いを寄せていてくれたことに1ミリも気づかなかった。 そんな馬鹿な男を健気に想い続けてくれた彼女のこと大事にしたいのに。