――『好きな奴いるから』


関係ないけど。

私には、全然……。


なのに、気になる。すごく。

唯一自分からまともに話せる人だからかな。
そうかも。


制服に着替え、支度をする。
あとは朝食に行くだけ。


時計を見ると、まだ少し早いみたい。

読書でもしていようかと思った時、


「ねぇ、紗帆ちゃん。紗帆ちゃんっていつも髪下ろしてるよねぇ……」

「え、うん……」


私は、真っ黒でセミロングの自分の髪の毛を見た。


「いじってもいい?」

「え?」