『おはよう。いつまで寝てんの?早く起きて、俺に会いに来いよ。…………おい、ののか、なんだよこのセリフ!』


ひとりの男性の声で、私は飛び起きた。

誰?


辺りを見回すと、閉まったカーテンを照らす朝日。

枕元に置いてある本。

目をこする柿崎さん。

ここは、寮の部屋。

男子の姿はない。


『おはよう。いつまで寝てんの?早く起きて、俺に会いに来いよ。…………おい、ののか、なんだよこのセリフ!』


繰り返される、同じ言葉。

それは、柿崎さんの枕元にあるスマホから流されていた。

昨日言ってた、目覚ましアラーム……。