その後は、よく覚えていない。

気がついたら、ちゃんと服を着替えていて、自分のベッドに入っていた。

耳をすますと、スースーと静かな寝息が聞こえる。

柿崎さん、今日は佐伯くんのところに行かなかったんだ。

そうだよね……。「会えない」って、言ってたし。


時計を見たら、すっかり真夜中。

深夜0時。

彼の名前と同じ、真っ暗な夜。


真夜中くんは、今日も図書館にいるのかな。

……いないよね。行く理由がない。


真夜中くんの好きな人は、きっと柿崎さん。

柿崎さんも、まだ真夜中くんに恋情を残していて。


私は、本を投げつけて告白して、……片想い。


真夜中くんにもらったブックカバーを手にベッドに入っていたらしい。

可愛い、眠り猫。


「っ……」


頭の中がぐちゃぐちゃで、熱が出そう。


私は布団をすっぽり頭までかぶって、ベッドの上で丸まった。