なぁ、結歌…


俺の声は届いてる?
触れてるのはわかるかな…?




キミが昏睡状態に陥ってから、2ヶ月近くが過ぎた。






「毎日、来て下さってるんですよね…?

…いつも、ありがとうございます」


不意に、結歌の母親から漏れた感謝の言葉に…

驚いて、戸惑う。


「っ…、いえっ…
僕が結歌の傍に、居たいだけなので…」



この約2ヶ月間、結歌の両親は土日に来てて…
母親の方だけは平日にも1・2日訪れてたけど、いつも挨拶を交わすだけだった。


もちろん父親の方とはそれすら無くて。

基本2人が揃ってる時は結歌との時間を譲って、談話室とかで時間を潰してたとはいえ…
顔を合わせたり、桜菜越しに絡む事は当然あって。

でもいつも俺の会釈は無視されて、存在してないかのように扱われてた。


まぁ、院内や桜菜の前で騒がれるよりよっぽどマシだから、気にしてなかったけど…

2人とも、俺の事を煙たがってると思ってた。