白い息と共に、小さな声で言葉が紡がれる。 「颯と、別れたんだってな」 きっと、彼は何も思う事なく亜樹に伝えたのだろう。 三日前――――別れを、告げた事を。 靴を履き替え外に出て、駅の方面へと歩く。 大きな飾りつけられたツリーには、既に沢山の人が集まっていた。 「知ってたんでしょ、朝から」 「だって、お前・・・・・・泣いてたろ?」 何も返せず、笑う事も出来ない。 それ位、私の中で彼の存在は大きかった。