身体全体が温もりに包まれた。 それと、小さい頃から嗅ぎなれた落ち着く亜樹の匂い。 「ずっと幼馴染だったけど・・・・・・さ。 俺は、千冬がずっと好きだった」 「・・・・・・ん」 そんな彼の腕の中で、私は泣きじゃくる。 あんまりに、残酷だ。 「ごめん、ごめん・・・・・・亜樹」 私はまだ、颯を、忘れられそうに無い。