「ねぇ、千冬・・・・・・」 グッと強く腕を引かれる。 泣き顔を見られないように俯く私の首に巻かれたマフラーを、亜樹は乱暴にほどいた。 冷たい空気が突き刺さる。 いつの間にか振り出した牡丹雪が、ハラハラと制服に舞い落ちた。 そして、新たに首元に触れる温もり。 メリークリスマス、その言葉と共に彼はしまっていたマフラーを私に巻いた。 そして。 「ねぇ、俺じゃ、ダメなの?」 掠れた声が、雪と共に降る。 「千冬、俺と付き合うのじゃ、ダメ?」