「・・・・・・な、んで」 「千冬!!」 一目散に駆け出した私を制止する声も聞かず、私は人ごみを縫って走る。 でも、制服で荷物を持っているものだから、そう早くは走れない。 「千冬、待てって」 腕を掴まれて、その拍子に私はしゃがみこんだ。 何事だと、通行人の視線が突き刺さる。 でも、そんな事も気にならなかった。 「何で・・・・・・何で、颯」 私が渡した物じゃない、他の子から貰ったマフラーしてるの?