アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜

 


 小高い丘の上にその店はあった。

 小洒落た外観で、建物はあまり大きくない。

 なんとなく高そうな店だと思う。

 小人数の客で経営が回していけそうな辺りが。

 遅れて降りてきた亮太が後ろで言う。

「ほんとに奢ってくれなくていいからな」

 え? と振り向く。

「お前と話をするための口実だから」

 なにかこう、あまり楽しい話ではなさそうだな、とその表情を見ながら思った。