アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜

「居ないよ」

「うん。
 私は側でいつも見てるから知ってるけどね。

 でも、そう見えるくらい、そういった方面に関しては落ち着いてるよね」

「うちはさー。
 ほら、両親がなんていうか。

 なんていうかな人たちだったからさ。

 あんまり恋愛に夢を抱けないというか。

 あれでも、出会った当初はラブラブだったはずなんだけどなー」

「そうねえ。
 でも、今でも実はラブラブなのかもよ」

「いや……もう随分前に離婚してるんだけど」

「形だけ見てたんじゃわかんないこともあるかもよ」

「桃子は、恋愛に関しては、なんとなく含蓄があるようなことを言ってくるわよね」
と言うと、

「なんとなくってなによ」
と笑っていた。