アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜

 おい、と思ったが、それ以上言うのもなんだか、それこそ小動物を部屋の隅に追い詰めていじめているような雰囲気になるので、やめておいた。

「そうか。
 おやすみ」
と言い、部屋に入り、戸を閉める。

 向かいの部屋から、
「……もう一回くらい訊いてくれてもいいのに」
とかなんとか言っているのが微かに聞こえてきて笑ってしまった。