アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜

 それでだろうかな。
 どうだろう。

 式の準備に行ったのなら、桜田さんとは逃げなかったのか、と思った。

 まあ、あの人と逃げられてもいろいろと困るし、ちょっと複雑だしな〜と思いながら、

「手伝いましょうか」
と腕まくりすると、遥人は、

「遊び歩いてお疲れなんじゃないか」
と鼻で笑う。

「今、貴方に嫌味を言われたくないんですけど〜」
と言いながら、ダンボールの前に座ると、作業を再開しながら、

「誰と出かけてたんだ」
と訊いてくる。

「亮太ですよ」
と既に詰め終わっているらしいダンボールの蓋を、えい、と閉めた。

「そうか。
 いいことだな。

 もう次の男が居るのか」

「次のもなにも、貴方には、膝枕して、お話してただけですから」
と言ってやると、

「……あの男とは」
と言いかけ、いや、いい、と言う。

 亮太となにかあったのか気にしているようだった。

 カピバラが誰と付き合おうが別にいいじゃないですか、と思った。