アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜




 たっぷり遊んで、夕食も食べて家に帰ると、なにかが鳴っているのに気がついた。

 鞄の中で、携帯が震えている。

 見ると、いつの間にか、携帯はいつの間にか、マナーモードになっていたようだった。

 だが、自分で設定した覚えはない。

 鞄の中で当たって勝手になったのかもしれないが、おそらく――。

 亮太め、と思いながら出ようとしたが、もう電話は切れていた。

 見ると、五回も着信している。

 遥人からだ。

 もう今日はかからないと思っていた。

 いや、明日は式だから、もう永遠にかからないのではと思っていたのに。

 那智が慌ててかけ返そうとしたら、また鳴り始めた。

 その早さに、思わず、口から出てしまう。

「ストーカーのようですね」

 既に電話はつながっていたらしく、遥人に聞こえてしまった。

『何処に行ってたんだ』
と機嫌悪く言われる。

「すみません。
 食事に。

 もう今日はかかって来ないかと思って」
とつい、言わなくていいことを言ってしまう。

 じゃあ、いい、と言われたらどうしよう、と思った瞬間、遥人が言った。