アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜

 俺もだ、と亮太は言ってくる。

 そういえば、亮太にとっても、梨花さんの結婚式なんて嬉しいもんじゃないもんな、と思った。

「そうだねー。
 どっか行こうか。

 亮太を慰めに」

『お前をだろ、ボケ』
と言って電話は切れた。

 そんなに時間を置かずにもう一回かかってきた。

『何処だ、那智。
 この辺だろ、家』
という声がする。

 窓から見下ろすと、少し手前に、亮太の車が止まっていた。

「すぐ近く。
 今行くー」
と言って部屋を出た。