アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜

「いやいや、そう言ってても、付き合うことになるって」
「なーりーませ……」

 那智は言葉を止めた。

 渡り廊下の方から、公子がキラキラした目でこちらを見ていたからだ。

 はは……と苦笑いし、小さく手を振って見せた。

 実に楽しそうだった。

 まあ、職場に楽しみを見出すのはいいことか。
 自分がその餌食にはなりたくはないのだが。