電話で、今日はうちに来いと言ったときの様子がおかしかった気がしたからだ。
「……話というほどのことでもない」
と言う遥人は、今は言う気はないようだった。
失敗したな、と思う。
すぐに此処に来ていれば、話してくれたかもしれないのに。
同期の中での立場より、遥人の方が今は大事だ。
そのまま、遥人の顔を見つめていると、彼は少し視線をそらしたあとで、
「そうだ」
と言った。
「一度だけすると約束したな」
「は?」
「帰ったら、一度だけ、キスすると言ったろう」
正面からそう言われ、那智は逃げ腰になってしまう。
「す、すみませんっ。
あのときは、ちょっと。
だって、専務が梨花さんばっかり大事にしてるみたいな気がして、腹が立ったから」
いや、梨花の方が婚約者なのだから当たり前なのだが。
行こう、と遥人は、何故かテレビを消し、立ち上がる。
「此処では駄目だ。
ちょっと出かけよう」
「は?」
と言いながら、那智は、私、今日、何回、は? と言ったかな、としょうもないことを思っていた。
「……話というほどのことでもない」
と言う遥人は、今は言う気はないようだった。
失敗したな、と思う。
すぐに此処に来ていれば、話してくれたかもしれないのに。
同期の中での立場より、遥人の方が今は大事だ。
そのまま、遥人の顔を見つめていると、彼は少し視線をそらしたあとで、
「そうだ」
と言った。
「一度だけすると約束したな」
「は?」
「帰ったら、一度だけ、キスすると言ったろう」
正面からそう言われ、那智は逃げ腰になってしまう。
「す、すみませんっ。
あのときは、ちょっと。
だって、専務が梨花さんばっかり大事にしてるみたいな気がして、腹が立ったから」
いや、梨花の方が婚約者なのだから当たり前なのだが。
行こう、と遥人は、何故かテレビを消し、立ち上がる。
「此処では駄目だ。
ちょっと出かけよう」
「は?」
と言いながら、那智は、私、今日、何回、は? と言ったかな、としょうもないことを思っていた。



